Chapter2 事件

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Chapter2 事件

ところが、昨日席を譲ったことを後悔する事件が起こった。 なんと、矢木先生が私の授業にまで乗り込んで、このクラスは自分の担当だと言ってきたのだ。 きっと、自分のクラスではまともに聞いてもらえないものだから、羨ましくなったのだろう。 いくら何でも、これはダメだ。 自分だけならいいが、生徒まで巻き込むのは許せない。 その場では、生徒たちを動揺させないために機転を利かせ 「今日の授業は矢木先生がやってくださいます。」 と、言って出てきた。 もう、これ以上は黙っていられない。 矢木先生にはっきり言おう。 放課後になり、職員室に矢木先生が入って来た。 私が席を外したのをいいことに、また私の席に座ろうとしている。 「矢木先生、ちょっといいですか。」 席に座る前に呼び止める。
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