アサカハムハムの憂鬱

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はあ。 「おや?ため息ついてどうされました?」 うわ!? 一人だと思ってたら後ろから………… あれ?なんだこれ? こんなとこに蝦夷富士…な訳ないか。 昭和新山、もないな。 よくみれば台形。 違う。 なんか良く見るぞこの形。 ミズキンダ専用冷蔵庫の中で………。 こう、皿にぷりってひねり出す、じゃなくて陥れる、でもなくて、おお、アレだ。 「あなたがおっしゃりたいのは、つまりこういうことでしょうか。私がまるでプリンのようではないか、ああだからなんてうまそうなんだ、一口くらいカジっても問題はまったくないだろう、いや問題あるのだろうか、あるとしたらそれは世界経済に波及するくらいの大変な問題で各国首脳がG8で……」 「すみません、ボクが悪うございました。ボクまだ何にも声に出していないんですが、とにかく謝りますんで許して」 キミは誰? 「あなたは確かに口では何もおっしゃいませんでしたが、確かに顔には、あーこれはきっと貴方の最近お気に入りのベッド、じゃなかったお世話をしている彼女の冷蔵庫に入っている三個で98円税抜きお徳用プチンプチンプリン?と書いてありそれを読み取った私と致しましてはやはり事細かに説明をせざるを得ないという義務感に胸が張り裂けそうになりまずそのあたりからかみ砕き………」 「わーかった!分かったから!とにかくキミは誰?この牧場に何の用?」 ミズキンダより訳悪い。 なんなんだ、この美味しそうな講釈だらだら放出プリンは! ミズキンダが見たら飛び付くだろうなー。 あ、サラも最近よく食べてるから今日の二人のオヤツに丁度良いかも……。 「………ただの通りすがりの観光客です。名はない。それでは」 え?何あれ? 結局何だったの? なんかそそくさ帰って?違うな、消えた?
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