自分だけの部屋

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「茉里菜ちゃん。朝よ。起きて。」 「ううん…もうちょっと…」 「だめだめ。1日目から、お寝坊なんて様にならないわよ。」 「…お願いします…寝させてくださぁ~い。」 「駄目なものは駄目。今日から、学校行かなくちゃならないでしょ。蓮と約束したんだから。」 そう言って一葉は、茉里菜の布団を、パッと捲ってしまった。 淡い水色のチェック柄のパジャマを着て、ベッドの上に、ちょこんと座った茉里菜は、年齢よりも幼く見えるくらいに可愛らしい。 「おはよう、茉里菜ちゃん。」 「おはよう…ございます。…えっと。…なんて呼べばいいのかな…。」 ここで考え込んでしまった。蓮と一葉をどう呼べばいいのか…。 「しばらくは、叔母さんでも、名前にさん付けでも、なんでも許してあげるわ。でも、少し慣れたら、お母さんって呼んでもらえると嬉しいかな。」 「…お母さん。」 「そうよ。駄目かしら?」 ふんわりした笑顔に、胸がドキドキする。茉里菜は、遠慮しながら、小さな声で、呼んでみた。 「…お母さん。」 「はぁい♪何かしら?」 一葉の嬉しそうな表情を見て、ちょっとホッとした。 「…私、着替える。」 「わかったわ。支度できたら下りてらっしゃいね。朝御飯準備できてるから。」 茉里菜は、返事をした後、ひとつ大きく伸びをしてベッドから下りた。
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