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茉里菜の中学は、ミルキーウェイのある辺りの子供達が通う中学の隣の校区になる。
陽だまり園からは、徒歩で15分あれば着いていたのだが、ミルキーウェイからとなると、倍…いや、それ以上に掛かりそうだ。
「かなり早起きしなきゃ駄目だなぁ…。」
「大丈夫よ。私が、近くまで毎日送ってあげるから。」
「毎日?!」
「自転車、駄目なんでしょう、あなたの学校。」
「うん、駄目。でも、どうして知ってるの?」
「神林先生に聞いたのよ。」
「先生に?」
「これまでは、いろんなこと神林先生が、お世話してくれていたんでしょ。
これからは、私達がするんだから、わからないことは、神林先生に聞くのが一番よ。
電車とかバスも考えたんだけど、ものすごく遠回りになってしまうし、途中で何かあっても、フォロー出来ないの。
一番いいのは、家から学校まで歩くことだけど、さすがに朝イチで、この距離は、大変よ。だから、送ってあげることにしたの。…とは言っても、学校の近くまでね。
毎日、車で通学なんて、目立ちまくるだけでしょ。だから、出来るだけ静かに、問題なくいかなくちゃ。
茉里菜ちゃん、嫌いでしょ、目立つこと?」
「…なんで、わかるんですか?!」
「私もそうだったからとしか、いいようないかな。」
車の後ろの席で、そんな話を一葉と茉里菜がしていた。蓮は、バックミラー越しに、二人をチラ見しながら、クスッと笑っていた。
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