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「いやぁ、悪い、悪い。彰、ごめん!」
全然、心込もってないよ、お父さん!
茉里菜が、思わず突っ込みいれたくなるくらい、感情駄々漏れで、笑ってる蓮に、驚くのと同時に、彰をまじまじと見てしまっていた。
この人が、彰さん…。
教えてもらった“イケオジ”って言葉が頭に浮かんだ。
陽だまり園の園長さんや施設長さん、神林先生達に比べたら、断然、格好いい。お父さんと同じ歳だよね。それより絶対若く見える。50代って言っても通るよ、うん。
「…おっと!…今、料理中だから、そこで首洗って待っとけ、アホが。」
彰が、首を引っ込めたのと同時に、お母さんと千秋さん、それと和樹さんが、クスクス笑いだした。
「相変わらずですね、速水さんと神谷さんの漫才。」
「漫才は、酷いわよ、和樹君。あれは、ふたりの愛情表現よ。」
「そうそう、幼馴染だからこそ、ああ言うこと出来るのよ。」
「なんなら、和樹君も混じってやっちゃう?」
「滅相もない。僕は、一歩後ろに下がって、追い掛けてるくらいが丁度いいんです。横並びなんて、100年早いって言われますよ、速水さんに。」
「本当、和樹君も、変わらないわね。」
「そうでしょう、一葉さん。陽菜ちゃんのお父さんなんだから、彰と横並びでいいって言ってるのに、この調子なのよ。」
「横並びなんて、無理ですよ、千秋さん。年齢だって一回り近く下なんだし、僕の弱点全部を知られてますからね。
それに、仕事のノウハウ、教えたもらった師匠ですから、頭上がりませんって。」
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