傷痕

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茉里菜にも、少しずつ、人間関係がわかってきた。 この家の主である、速水彰さんと千秋さん夫妻の息子の光輝さんと、ここにいる小川和樹(おがわかずき)さんと郁美(いくみ)さんの娘の陽菜さんが、結婚して親戚関係。 彰さんは、和樹さんの仕事のお師匠さんで、とても尊敬してるみたい。 そして、彰さんとお父さんは、小さい頃からの友達で幼馴染。お母さんとは、高校生の頃からの付き合いなんだって言うこと。 そして、一番の驚きは、千秋さんって、ものすごく人気のある小説家の吉水千秋(よしみずちあき)なんだと言うこと。 世間の流行は、よく知らないが、吉水千秋の本を茉里菜は読んでいた。学校の図書館にも何冊か本があったから知っている。 そして、この家は、速水さんが高校生の頃に住んでいた場所で、綾という人が、一緒に住んでいて、お父さんには、その人のことを何故だか、話してはいけないのだと言うこと。 もう、茉里菜の頭は、パンパンだった。
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