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茉莉菜は、バルコニーで夜風に当たりながら、お風呂で火照った体を鎮めていた。
「茉莉菜ちゃん。これ飲む?」
冷たいジュースを持ってきてくれたのは、杏奈だった。
「ありがとう、杏奈ちゃん。」
「ねえ、聞いても言い?郁哉さんのどんなところが好き?」
「…何で、今、そんなこと聞くの?」
「うん。お昼話していた人って、茉莉菜ちゃんの前に付き合ってた人でしょ。
茉莉菜ちゃんは、どうして,あの人じゃなくて、郁哉さんなのかなって、今更ながら素朴な疑問だよ。」
茉莉菜は、杏奈の疑問に直ぐには答えず、夜空を見上げた。
「見て、星が綺麗。」
「本当だ。東京でこんなに沢山見えないね。」
「そうだね。…ほら、あすこ少し星が固まってる様に見えない?」
「ええっと…あのもやっとした感じのところかな?」
「うん、そう。あれね、天の川の一部だよ。」
「そうなの?!」
「私達は、あすこで光ってる星みたいなものよ。」
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