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「郁哉君に相談してよかった。」
茉莉菜の相談は、郁哉にとっても、二人の将来を考える良い機会になった。
「茉莉菜は、僕との結婚が決まってるんだし、就職については、慌てることないよ。まずは、保育士の資格を取ることを目指そう。資格さえあれば、資格の生かせる職業に就けるだろう。
僕の知識だと、保育園とか養護施設くらいしか思い浮かばないけど、他にもあるんだよね?」
「勿論よ。保育園だって、公立と私立があるし、小さい規模のところは、役所からの認可のあるところと、ないところの両方あるけど、どちらにしても保育士がいないとダメなのよね。
他には、学童や児童センターみたいな施設の指導員に、先生や保育士の資格がいるところもあるのよ。」
「そうか、僕が思ってる以上に、就職先あるんだ。なら、まずは資格を必ず取らなきゃ始まらないね。
僕はさ、思うんだ。茉莉菜がやりたいと思うなら保育士の仕事やればいいって。結婚するから、家業があるから、保育士の仕事しちゃだめだなんておかしいよ。
藤崎の店のことは、父さんが社長として全部やってるけど、母さんは、ノータッチなんだよ。店のことで関わるのは、夫婦揃って並んでないと困る公の場だけなんだ。」
「じゃあ、お母様は何をされてるの?」
茉莉菜は、郁哉の家族のことを、もっと知りたかった。
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