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「おや。珍しいね、こんな時間に。」
「お邪魔してます。」
奥から出てきた蓮に、郁哉は挨拶をした。
「郁哉君、茉莉菜に出張のお土産持ってきたんですって。」
「ほう。どこへ行ってたんだい?」
「糸魚川です。」
「糸魚川…翡翠か。いいのは、あったのかい。」
「なかなか目玉になりそうな大きいのがなくて苦労しました。加工している職人さん達のおかげでなんとか必要数は、揃えられましたけど…難しいですね。」
「天然の物は、俺の作る物と違って、こちらの思いなんて関係ないからね。」
「仕入れを任されるのは初めてなんで、本当にドキドキしました。でも、いい経験になりました。何事も、経験ですね。」
「それがわかったのならは、よかったんじゃないのかな。
いろんな体験して、何度も成功と失敗を味わって幾らだよ。」
そんな話をしていたら、茉莉菜が帰って来た。
「ただい…ま…。うわぁ!郁哉君だ!お帰りなさい!」
茉莉菜の嬉しそうな顔に、郁哉もにっこり笑っていた。
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