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「これね、お土産。」
そう言って郁哉は、石を使ったブレスレットをくれた。
「可愛い♪ねえ、着けていい?」
「うん、いいよ。」
ブレスレットは、パステルグリーンとパステルピンク、それとパールホワイトの石を組み合わせていた。
茉莉菜は、腕に着けたブレスレットをかざしてから、ふわりと笑った。
「あのね。出張に行った糸魚川はさ、翡翠の産地なんだ。それでね、加工をしてくれる職人さんのいる工房とか、アクセサリーを売ってる業者なんかを幾つも回ったんだよ。
その中でさ、これ見つけたんだ。
この手のアクセサリーで、翡翠を使ってるのって、こういう色の組み合わせって相性が良いんだって教えてもらって、幾つか見せてもらったんだ。
これね。絶対、茉莉菜に似合うと思ったんだ。」
「ありがとう。大事にするね。…あっ、いけない。ちょっと待っててね。」
慌てて階段を駆け上がって行って、また降りてきた。
「はい。あのね、これ。」
「何?開けていい?」
「うん。いいよ。」
綺麗なラッピングの包みを開けると、 ネクタイが入っていた。
「ありふれたチョイスでごめんね。」
「全然、そんなことないよ。すごく綺麗な色だ。うん、これね、明日、絞めていくよ。絶対、先輩に自慢してやろうっと。ありがとう。」
そう言った後、周りをキョロキョロっと見回してから、 速攻で、茉莉菜の唇に、郁哉は自分の唇を重ねていた。
「!!」
「僕からのお返し。」
郁哉の言葉に、茉莉菜は、さっきよりもっともっと嬉しくなった。
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