卒業と門出の日

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外資系のそのホテルは、まだ新しくて、この間も、ニュースで取り上げられていた。 ドアボーイが開けてくれた扉の向こう側から、ふんわりと花の香りが漂ってくる。 宿泊のカウンターで手続きをすると、部屋まで案内してくれる。 エレベーターで上がったのは、客室棟の最上階のひとつ下。 廊下には、小さめのカウンターがあって、コンシェルジュが常駐している。 「こちらのカウンターには、コンシェルジュがおりますので、何でもご質問ください。ここをお使いになるのは、上のスウィートルームのお客様とこちらの階のお部屋のお客様のみでございますので、いつでも、ご遠慮なさらずに。」 「いつでも?」 「はい。24時間、いつでもです誰かおりますので。 こちらが、お客様のお部屋でございます。」 カードキーで開けてくれた扉の中は、セミスイートだと言っていたが、3人の知ってるホテルの部屋とは雲泥の差で、一瞬、頭がついていかなかった。 「お飲み物は冷蔵庫の中に入っております。すべて料金に含まれておりますので、ご自由にお飲みください。 追加のお飲み物やお料理が必要でしたら、別料金になりますが、こちらにメニューがございますので、お電話でご注文ください。こちらも、24時間、いつでも対応いたします。 カードキーは、こちらに置いておきます。出入りの際にお忘れないように。 では、失礼いたします。」
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