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今日は亡くなった久子おばあちゃんの話をしますね。
桜の時期になると必ず思い出すお話です。
久子おばあちゃんは患者さんでした。私が新人看護師の時にお世話をした方です。もちろん本当のおばあちゃんではありません。
ご本人から「私は病気のせいで子供ができなかったのよ。孫が生まれていたらあなたくらいかしら。ちょっと『おばあちゃん』って呼んでみてよ」と冗談めかして言われたのがきっかけだったと思います。そんなふうに呼び始めたのは。
もちろん患者さんをおばあちゃん呼ばわりなどしたら、鬼の師長に大目玉を食らいます。だから、その呼び方は二人でいるときだけ。
久子おばあちゃんはとても明るくて、笑顔の絶えない素敵なおばあちゃんでした。
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