バブル入社組

新卒一括採用組

６月になると検診を受けた。私は、一変に体重が落ちた事に気づいた。なんで体重が落ちるのか、この時点ではわからない。現場に蔓延する薬品が脂肪を溶かしたので、その分の数値が体重の減少として現れるのを知るのは後のことである。
その後に、運動会や慰安旅行などに参加する。私は、だんだん慣れてきた。その行事の後に私たちは正社員となった。正社員に昇格すると組合に自動加盟した。
給料が毎年少しずつ上がる代わりに、組合活動にも参加しなければならない。私は組合員のミーティングやメーデーなどに参加させられた。
また若い者ばかり集められ、飲み会をした。その飲み会の実態は婚活パーティーである。そこで相手を見極めて結婚するのが定番なのだ。この会社では、二十代前半までに寿退社するのが慣例である。
男の先輩たちからチヤホヤされる時期は短い。先輩たちの結婚が次々と行われ、その度に千円ずつ祝い金を回収される。表面上おめでとうと言うが、内心は自分とは関係ないのに何で金を取られるのか腑に落ちない。先輩の結婚式の写真を見せつけられて、今度は貴女の番と肩たたきされる。相手がいないのに、今すぐ実行できるはずもない。心の中では、大きなお世話と腹を立てながらも頭を縦に振るのだった。