新卒一括採用組

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その後、運動会に参加すると、男の人から声をかけられた。これが夫との出会いである。私とは別の事業所で働いている。彼は、私に名刺を渡した。よく見ると、そこには家の電話番号が手書きで付け加えられていた。 まだ携帯電話が無い時代だったので、本人が家にいる時は家の電話しか連絡しようがない。誰が出るかわからないから、言葉遣いに気をつけて通話する。彼の両親がいるかもしれない所へ電話してと言うことは、遠回しに結婚を申し込むようなものだ。彼が去った後、その名刺を長財布の中に入れた。 運動会が終わった後も、彼のことが気になった。そこへ電話しようかどうか迷っているうちに、彼が私のいる事業所へ配置転換で来た。彼との距離が近くなって、最初は靴箱に手紙を置いていた。その手紙から始まったデートは、社内の人に見られて評判となった。社内では公認カップルとなった私たちは、彼の車で送り迎えして貰った。 そのうち、両家の顔合わせをした。その後、結納を交わした両家は結婚式の準備を進めていた。結婚式が近づくと、社内から集めた祝い金が手元に来た。 そして結婚式を挙げた。営業部長などが祝辞の挨拶をする。出席者がスピーチをする。私たちはリング交換やケーキカットをして結婚式を滞りなく終わらせると新婚旅行に行った。     
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