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そして破水が来て、私は病院へ運ばれた。分娩室へ移動するとそこで力んだ。何時間もかけているうちに赤ちゃんが生まれた。女の子ですよとの声を最後に私は眠り込んでしまった。
病院へ駆けつけた夫や義父母が、新生児室の中にいる娘をガラス越しに見る。その後に私がいる個室へ入った。私に向かって労いの言葉をかけるので、心の中が熱くなる。母としてのスタートを切り、夫が役所へ届けた名前で娘を育てることになった。
2週間後に退院した私と娘は、アパートの部屋に戻った。ベビーベッドの中で眠ったり泣いたりする娘のために動くようになった。夜泣きをすると、ユニットバスの便器に腰掛けて娘に授乳した。ついでにそこで用を足して、娘が泣き止むとまたベッドの中に寝かせて自分も二度寝をした。
汚れたオムツは、大便を便器へ捨ててから丸めて燃えるゴミに出した。そういう日は瞬く間に過ぎていく。自ら歩くようになると、オムツ替えの回数が減った。娘がトレーニングパンツを履き始める頃にムカムカするのを感じた。病院へ行ってみると、妊娠しているとの診断を受けた。私たちは次の子を迎えるための準備に取り掛かることになった。
私は、夫にそれを報告した。夫もその報告を聞いて喜んでいる。晩ごはんを済ませても、次の子は男の子か女の子かと話が盛り上がっていくうちに就寝時間になって床に入った。
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