第二十一話 No.4

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「投薬とショック療法で耐え切れなくなった実験体は全部処分したの。ほとんど廃人だったわ。ただ、薬物投与のサンプルとしてこうして保存していあるだけ」 「あああ……」 がっくりと膝をついた少女の目から涙が、口から涎が垂れる。 「あなたもこうなりたくなかったら結果を出しなさい!!私の満足のいく結果を!!」 所長は怒鳴ると打ちひしがれた少女を足蹴にした。 少女は床に倒れふしたまま体をわなわなと震わせる。 「よくも……よくも……」 「えっ?なんだって?」 「ああああ――――っ!!」 少女が振り向いて叫んだ。 その瞳、鼻、口からは血が流れていた。 ジジジジ……!! ノイズのような音と共に景色は歪み消えた。
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