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『いいよ。気にしてないから』
あの時の私は、恭平がまるで私のことを好きだと決めつけて話していた。
そんなことあるわけないのに。
「ほんとに?怒ってない?」
『ああ。ちょっと驚いたけどね』
良かった!!
「あと……虫のいいお願いなんだけど」
『ん?』
「今日のことは誰にも言わないでくれる?……」
『ああ。誰にも言わないよ』
電話の向こうの恭平の声は笑を含んでいた。
恭平とはそれから少し話してから、最後に改めて謝って電話を切った。
スマホをベッドに置くと大きな溜息が出た。
私ったら何やってんだろう?
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