第五話 未来の幸福と戸惑い

20/23
前へ
/373ページ
次へ
『いいよ。気にしてないから』 あの時の私は、恭平がまるで私のことを好きだと決めつけて話していた。 そんなことあるわけないのに。 「ほんとに?怒ってない?」 『ああ。ちょっと驚いたけどね』 良かった!! 「あと……虫のいいお願いなんだけど」 『ん?』 「今日のことは誰にも言わないでくれる?……」 『ああ。誰にも言わないよ』 電話の向こうの恭平の声は笑を含んでいた。 恭平とはそれから少し話してから、最後に改めて謝って電話を切った。 スマホをベッドに置くと大きな溜息が出た。 私ったら何やってんだろう?
/373ページ

最初のコメントを投稿しよう!

403人が本棚に入れています
本棚に追加