第六話 黒犬

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「おら!向こうへ消えろ!!」 「ギャウ...ギャウ!!」 二度、三度と黒犬を打ち据えると、黒犬は私達の前から逃げ出した。 「へっ、ざまあねえ」 里依紗は黒犬の姿が見えなくなるまで見てから、お婆さんにお礼を言い、杖を返した。 「ありがとう里依紗、ありがとうございます」 私は里依紗と、お婆さんにお礼を言った。 「噛まれてないか?」 お婆さんが心配そうに顔を近づけて聞いてきた。 「だ、大丈夫です」 「他に怪我は?大丈夫かい?」 意外...... 失礼な言い方だけど、普通の人だ。
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