第六話 黒犬

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「ああ…怪我してるじゃないか」 「あっ......」 お婆さんが私の右手を取りながら言った。見ると肘の辺りが擦り剥けて出血している。 結構、範囲が広い。 全然気がつかなかった。 「手当するからおいで」 「えっ」 「私の家は目の前だから手当してやるよ。ほら」 お婆さんが目の前の家をあごでしゃくった。 私と里依紗は顔を見合わせる。 「親切に言ってくれてるんだ。手当してもらおう」 里依紗に言われて私は頷くと、お婆さんにお願いした。
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