土の下のインテルメッツォ

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 広大な地下道の柱の間を行き交う人々の中で、私は目指すべき場所も判然としないまま、無心に歩を進める。行く当てがあるふりを装って、たったいま気ぜわしくすれ違った女性と同じような、刃のような顔つきで、流れを失った空気を切っていくのだ。
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