土の下のインテルメッツォ

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 テナントが並ぶ大きな通りを経て、いつしか細長い通路に入った。視界の両脇に伸びるタイルの壁が手の届く距離まで迫ってくる。壁面を大きく占領していた無数の広告も、いつの間にか無くなった。のみならず、すれ違う人も消えてしまった。周囲には、私と、前方を歩く女の後姿だけが残っている。
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