オーロラ

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オーロラ

暗いはずの空 凍りつくような寒さのなか 突如まいおりる巨大な姿 光のカーテンがユラユラと動きつづける。 ああ、いったい何のために 何ゆえに えもいわれぬ神秘の姿を 現すのだろう。 寒く ほとんど身動きのできぬ環境…… 死と隣り合わせの厳しさの中でのみ垣間見える 光のベールと、 ゆらめく時間を (おの)が宝とするのだと強く念じた。 「この瞬間は、 他の全てを投げ打ってでも価値がある」 と私に告げた、 あなたの言葉が 今もこの胸に、こだましている。
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