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「チャージ完了!」
真っ白いカプセルルームの中で目覚めると
本日のプログラムが目の前に流れてゆく
カタカタ
と揺れる眼球が
それを凝視し読み込んだ
「パーツのメンテナンス完了、内蔵パーツ確認!」
足元の扉が開き吸い込まれるように猛スピードで落ちてゆく
「キャッホーーーー!」
ワームホールで瞬間移動をして
街へと繰り出すと
赤い砂塵が浮かぶ主要都市では
ロイド個体たちが
プログラムされた作業をそれぞれ正確に行っていた
整備された街中にある無数の穴たちは
個々のプライベートカプセルへと繋がっているのだ
ここは、かつて第2の地球と呼ばれていた砂の第一惑星
ぼくはジロ このコはモナ
人類が絶滅した世界で
残されたロイドたちが今も尚、街を構築し続けている
ぼくたちに、性別はない
そして、人類が必要な食品を培養し人工的に加工する
簡単な労働プログラムを終了させたぼくとモナは
沢の第七惑星ラジからの依頼で調査をすることになった
「ジロ、ラジからの映像で
噂のLAUZENを初めて見た
黒いパワースーツの戦闘型擬態みたい」
「ああモナ、まるで戦闘型擬態の
最新型を更にアップグレードした動きにも見えるよ」
「ジロ、興味深い依頼だけれど、かなり危険な案件だ
概算で完了指数は300、破壊指数は500、謎指数は200だよ」
「モナ、ランクを与えられていないぼくたちには、
高額通貨と引き換えなら
破壊される可能性もある危険な作業しか依頼は来ない
ぼくは、Gランクの民間ロイドを目指す!」
「ジロ、ぼくはSSSランクだ!」
ぼくたちロイドにはランクがある
SSSランク 国家機密ロイド 大統領補佐・官僚
SSランク 戦闘ロイド 上官・隊員
Eランク 救急ロイド 医療・救命士
Fランク 介護ロイド 病人用・老人用
Gランク 民間ロイド 家政婦・シッター
アップグレードされたロイド個体はランクが上がってゆく
なぜかアップグレード審査が通らないぼくたちには、
Z判定が下され、Zランクと呼ばれ
ANIMAL擬態と同等のぼくたちが使用できないシステムは数多い
システムを覗いてみたくて
Zの理由を知りたくてハッキングを繰り返しているうちに
深海ネットワーク仲間ができたことは
ここだけの秘密だ
各惑星と繋がっているんだ
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