LAUZEN 

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ロイド個体は、 通常アルファベットと数字の配列の個体識別コード で認識されているけれど 深海ネットワーク仲間だけは、 それぞれ個体が、好きな物や好きな擬態の通称を 暗号コードネームとしてインプットしているんだ ぼくとモナは、惑星連合のシステム共通通貨を稼いで どこかの惑星でアップグレードするつもりさ モナは、潜入でぼくは監視 「ジロ、はじめるよ!」 「モナ、準備はいい!」 モナがネットワークの海を深く深く潜り LAUZENの情報の断片を辿り全ての陰に印を付けてゆく 「ジロ、こいつらを泳がせて逆再生だ」 様子がおかしい・・・なんだろう 「モナ、気を付けて」 「ジロ、思っていたより楽勝だね」 いや、違う! 「監視システムが作動した!撤退だ!」 監視システムだけなのか・・・なんだろう 「ジロ!巨大なパーツを見つけた!・・・見えた!球体だ!」 「撤退するんだ! モナ!早く!」 「違う!パーツじゃあないCPU(中央処理装置)!」 「監視システムに見つかる! モナ!」 マ、マズい! 「モナ!・・・どこ・・・」 モナの回線が切れた 「CPU、LAUZENなのか?」 監視システムは、宇宙連邦局の管理下にある 宇宙連邦局は、8つの惑星連合の総指揮権を持つ機関 そのうちのひとつの惑星連合が ぼくたちが構築する砂の第一惑星と 風の第二惑星 林の第三惑星 火の第四惑星 山の第五惑星 水の第六惑星 沢の第七惑星なんだ 隣のモナが停止している 急いでモナのマイクロプロセッサー(集積回路)を修理した 「モナ、必ず助けるから! 大丈夫!大丈夫!」 不安な気持ちを掻き消すように ぼくは、自分に言い聞かせたんだ ジージジ・・・ジージジ・・・ モナが起動し始めた 「・・・CPUは、GRAND MOTHER」 「モナ、よかった、回路が繋がった、復旧したのか?」 「ジロ、受け取って・・・」 「モナ!モナ!」 モナが咄嗟にコピーした GRAND MOTHERの一部の情報が ぼくの中に、滝の様に流れ込んできた 「モナ! そんなにたくさん読み込めないよ」 カタカタと揺れる眼球でそれを読み込むが 情報量が多すぎる カタカタカタカタ カタカタカタカタ 「ッフー、なんとかバックアップとったよ、モナ?」
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