LAUZEN 

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美しい水が無数の白い糸のように 岩肌の隙間から流れ落ちてゆく ここは、沢の第七惑星 白銀に輝くボディースーツは まるで硝子というよりも鏡のようで 周囲の風景を移し込みレーダーを反射する優れた素材なんだ 「B290822隊員、SS部隊の初任務だ、行方不明個体の捜索を命じる」 「はい!上官!」 SSのB290822隊員となったぼくの目の前に 上官からのプログラムが流れて来る カタカタと揺れる眼球が、それ読み込んだ 第七惑星では、新型やアップグレードしたばかりのロイドが 行方不明になる事件が多発している “軍事システムとの連携完了! SS隊員たちは、行方不明固体が消息を絶った現場へ ワームホールでは無く プログラムに従い実行せよ“ 「え?ぼくが飛ぶの?」 ぼくに上書きされた新しいプログラムから選択実行すると 勢いよく空へ打ち上げられたように高く高く飛んだ 「うわぁーーー!」 眼下に広がる景色は砂の第一惑星では見たことも無い形と色の集合体だ とても、色鮮やかで美しい、こんな時はバグに感謝する モナにも見せてあげたい・・・ 実は、ラジにお願いして ぼくのZ判定をデータバリアで保護する為に 偽造データを送ってもらった “ジロ、応急処置だ、多少の誤差は調整してくれ” そして、もうひとつ大切なお願いごとをしたんだ それは、任務が終わってからのお楽しみさ 「こちらSS部隊! 現場に到着!」 上官の降り立つ場所へと 次々と軽やかに着地する数体の隊員個体 メリメリメリメリ ぼくだけ、地面にめり込んで着地した あわてて重力の反発を設定し直して 何食わぬ様子で隊の後に駆け寄ると ザワザワ ザワザワ バキッ チュンチュン チュン バサバサバサ 聞いたことの無い音をたくさん拾って 目の前が見えなくなるほどの解析と分析情報が流れて来る 「・・・なんで、他の隊員個体は平気なの?」 こっそり解析をOFFにしていると 上官が立ち止まったので、同じ方向へフォーカスを合わせた 行方不明になったと思われるバラバラにされた 個体のパーツを発見したのだ ひどい・・・ 何故こんなことをするんだ 何の必要と意味があるんだ
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