納得出来ない死

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   金と時間を費やし、五年を経過してようやく見つけたのは、都心よりもさらに北の田舎町だった。 「!? 斉藤!? どうしてここに……」  驚愕の眼差しで見つめてくる視線に反吐が出そうになったが、なんとかこらえて声を絞り出す。 「ど……して俺を、突き飛ば……た」  いやに聞き取りづらい低く、くぐもった問いかけに男は視線を外した。口の中で舌打ちした音を聞き逃さない。 「片眼と、声……奪っておいて、それは、ない」  斉藤は口の端を吊り上げ、嘲笑気味にクックッと笑った。  しばらく沈黙が続いたが、相手の男から答えは聞き出せそうになかった。  いつも気に病む性格の自分とは違い、明るく誰にでも接していた彼に半ば憧れすら抱いていた事が今では恨めしい。  たったいま自分に向けられている眼差しは、バカにしたものでしかなかった。  事故の目撃者はおらず、証拠など見つけられるはずがない。だからただ、本人に訊いてみたかったのだ。 「こたえ、ろ。ど……して」  それでも、男は答えない。  苛立ちは増していき、拳が微かに震えてくる。  
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