神の六畳間

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 私は学校で教えられている通りに、体を小さく折りたたんでいった。地面にひざまずき、腕を組み、くびを折り曲げて、少しずつ時間をかけて、丸くなっていった。骨が折れたり、肉が裂けたり、血が吹き出たりしなかった。痛いところは一つもなかった。こういうことができる世界なのだ。人間が、丸く、小さく、豆粒みたいになって、消えていくことだってできる世界なのだ。世界は本来そうなのだ。断言させてくれ。
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