神の六畳間
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雑多な店が寄り並び、人の往来でざわつく商店街の細い路地を抜けると、打って変わって閑静な住宅街が現れる。私は手すりが錆びた鉄製のアパートの外階段を昇った。成人男性の体重を受けて階段は、かん、かん、かん、と高い足音が響かせた。生ぬるい、不穏な静寂の漂う午後だった。晴れているのに、太陽の光はどこかかすんでいた。トレーナーの袖口が、肌に浮き上がった汗でじとじと濡れていた。春だった。
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