神の六畳間

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 物がないから、散らからなかった。私はサンダルを脱いで部屋に上がった。裸の足裏に、畳のいぐさがしなる柔らかい感触があった。室温が上がると、この部屋は枯れた植物のにおいがした。木造のアパートだった。つまり、建物は死んだ木でできている。
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