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第一話 宇宙にふたりぼっち
──田舎の夜空は宇宙だ。 by ミソラ
都会から電車とバスを乗り継ぎ5時間をかけてはるばる田舎へ引っ越してきて1日目、
私は今、巨大ロボットに乗って田舎の夜空を満喫しています。
だから天国のお母さんお父さん、心配しないでね。
たとえそれが落下中の身であったとしても、きっと大丈夫だから。
「やっぱむりぃぃ!!!」
いくら巨大ロボットが最新テクノロジーの塊で、操縦席内は重力制御が効いているのだとしても、外カメラからの映像は加速度をつけて近づいてくる地表を数ミリ秒の遅れもなくリアルタイムにその情報を送ってくるのだ。
人の頭は優秀であるから、その映像からでも自分は落下しているのだという感覚をどうしても拭い去れない。
つまるところ、簡潔に言ってしまえば、あと数秒で、潰れたジャムパンのようにぺしゃんこになった巨大ロボットの穴という穴から私の生命を司る赤い液体を垂れ流すことになるのだ。私の人生はここで終了である。
「やっぱだめぇぇぇ!!!」
そりゃあ抗いたくもなるよ、私の命がかかっているんだもの。
というわけで、私の側でさっきからピコピコやっている本物のパイロットさん、早くなんとかしてくれませんかね?
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