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「言われなくてもやっている!だから喚くな!!」
「死ぬとわかっていて喚かずにいられるのは戦士か悪魔だ!だから私は喚く!精一杯喚いてやる!!私が助かるか死ぬその瞬間まで!!うわあああ!」
「あぁうるせぇなぁ!!これで最後の入力だ!死なねぇからさっさと黙りやがれ!!」
ピコンとわかりやすい電子音がなったそれが彼が入力とやらを終えた合図のようだった。
併せて、ロボットの足の裏やら膝の裏やら様々なところから姿勢制御用の噴射が行われ、ロボットはなんと直立姿勢へ戻ったのである!
「いや、落ちてんのをどうにかしなさいよ!!」
「終わったって言ってんだろ!これでいいんだよ!いいから黙ってじっとしとけ!」
とは言われても、落下速度は緩まることなく2次関数の頂点へと向かっていっている。
こんなことで安心できるバカは一人で十分だ。
諦めていいのか希望を持っていいのかこの絶妙な気持ちのまま死んだら絶対に地縛霊になるだろうなと思っていると、案外と余裕を感じている自分に気付き、静かに驚きを得る。
と、静かになったのは私だけでは無いようで、気付くと巨大ロボットは大地に立っていた。
まさに、『巨大ロボット、大地に立つ』を体現している。
「あ、あれ、助かってる?」
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