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「嫌だ!私は小説家になるんだから!病院なんて継がない!」
どうやら小説家になりたいらしい。僕も今初めて聞いた。
「あのな遊佐、小説家なんてなりたくてもなれる様なもんじゃ無いぞ」
そう小説家なんてなれるのはごく一握りだ。
「そう言うと思って!ほら!」
遊佐が一枚の紙を渡してくる。
そこにはこう書いてあった。
『三次審査通過のお知らせ』
「遊佐・・これって」
「新人賞の結果。次が最終審査それを通ったら晴れてデビューよ」
突然のことすぎて理解ができ無い。まさか遊佐が新人賞なんかに出してたなんて。
僕はどんな小説を書いてるかも知らないのに・・
「わかった?私は病院なんか継がない」
こんな物を見せられると言葉が出ない。
しかしこの病院は僕では継げない。
なんとしても遊佐に継いでもらわなければならない。
「でも・・」
僕が言葉を渋っていると・・
「もう知らない!こんな家出てってやる!」
そう言って遊佐が家を飛び出していった。
少々気が立っていた僕は遊佐に向かって抵抗する。
「おう!もう二度と返ってくんな!」
そう言って遊佐が飛び出していって5時間が経つ。
頭を冷やした僕は家を出て遊佐を探し始める。
「うぉ!雨かよ」
突然の雨に戸惑いながらも傘をさす。
「遊佐ー遊佐ー」
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