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それから少し時が過ぎ、空に輝く太陽が最も高くなる頃
「んんっ…」
あれ?私…確かゴブリン達に…それから何か黒いのが出てきて…
黒い布の上で寝ていた彼女はゆっくりと目蓋を開いて上体を起こし、寝ぼけ眼で周囲を見渡す
「あー、大丈夫?ゴメンね汚いのに寝かせて、人を寝かせられそうな布がそれしかなくて。」
「…あの、貴方…は?」
声が聞こえた方に大きめの木からチラチラと、顔を枝の葉で隠しつつ覗く存在が居た…枝を持つ骨と眼の青い光でまったく誤魔化せてないのに気付かずに
「ただの通りすがりの者です、それよりも身体はどう?包帯とか薬草っぽいのとか勝手に君の持ち物から使っちゃったんだけど…」
ナイフが刺さっていた左足は多少血の跡が残っているが拭かれて包帯が巻いてあり、マントは折り畳まれ、靴下と靴は脱がされ杖と一緒に近くに置かれていた
「包帯…ゴブリンから助けてもらうだけでなく治療まで、ありがとうございます!」
「どういたしまして、たまたま通りがかっただけだけだよ、それじゃあまたゴブリンに襲われない様に気を付けてね。」
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