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――本当に、それで良いのですか?
「腹が減って苦しむ事も無い、欲しい物は欲しい時に手に入れる。何もかも自由に自分の思うままに生きられ…って、え?」
――もう一度、聞きますよ夜月 聡さん
最初は後頭部、それから全身に違和感を覚える。暖かいのだ、それに柔らかい…まるで誰かに膝枕してもらっている感覚
そして頭の中に響く落ち着いた、母性さえ感じる心地よい女性の声に気付き眼を開くと…
「本当にリッチになりたいのですか?」
金糸の様にキラキラと輝くウェーブがかった髪にシミも黒子も無い白い肌、透き通ったルビーに似た紅い瞳を持つ絵画から抜け出た様な美貌の、肌に負けない純白のワンピースを着た女性と目があった
夢、だよな、こんな美人に膝枕されて。夢ならこのまま…
「…なりたい、俺はリッチになりたい。」
「分かりました、その通りにしますね。それでは行ってらっしゃい夜月 聡さん。」
「えーと、行ってきま、す?」
久しぶりに、それも絶世の美女に微笑みながらそう言われる事に戸惑いつつも、聡が返事をすると視界が、世界が眩い光に塗り潰され…
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