口が寂しくて

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口が寂しくて

 ガムを噛んでいた。  あれっ?  いつもと違う感覚に、奥歯を確認すると詰め物が取れていた。  やれやれ。  ガムを掌に吐き出すと、半ば埋まったものがある。  それは――もがくカメムシだった。 「うおっ」  慌ててガムを放った。
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