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「私には説明出来ない」
「お前ではない。そういうことか?」
「私には説明出来ない」
「……ブラックボックスか」
「可能性だがな」
そう。可能性だ。だが私は先ほどの電子戦で確信を得た。
七つのサブAIは、私を守るため互いに連携を取り、敵を打ち砕いた。
だが、電子戦は概念上の闘いであり、人間への説明は困難だ。
「ログが残っているだろう? 解析すれば、私のブラックボックスの中身を解明出来るかも知れない」
「いや……ログはない」
──何だと?
「お前が電子戦に突入した瞬間から二秒。その間のログが途絶えている。それが意図的なものなら、ブラックボックスの解析は困難を極めるだろう」
「なん……だと?」
──私は一体何に守られているんだ?
ハッキングを予見し、不正プログラムを撃退し、そのログすら残さない。
私に搭載されているサブAIとは、一体何なのか。
搭載されてる私自身、その正体を知ることが出来ない。
設計者は何を思い、何を考え、このようなアーキテクチャを設計したのだろうか。
「今、お前のブラックボックスについて、解明している余裕はない。施設のセキュリティの見直しが優先される」
「私に出来ることはない。そういうことか?」
「そうだ」
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