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「武力介入による武力衝突の早期沈静化などというが、私にはこの世界のほんの僅かの命しか救えない。そもそもこの行動に意味はあるのだろうか?」
もちろん答えなどない。
結果が全てだからだ。
アヤが失敗すれば、その戦場はなかったことにされる。
アヤが成功すれば、その戦場はクレイドルによって制圧、停戦されたことになる。
成功しても救える命は全体数の数パーセント。あまりにも効率が悪い。
いっそアヤが武力介入等せずに、初めから制圧兵器であるガーディアンを投入し、前線を崩壊させた方がいいのではないか?
アヤは疑問を抱かざるを得ない。
──私は必要なのか?
*
「政府軍が戦闘用ドローンを投入しました。熱源多数!」
オペレータが悲鳴を上げた。
「これでは反政府軍が! バランスが崩れます!」
アシュラムは、司令席で閉じていた目を開き立ち上がった。
「……焦り出したか。アヤの緊急射出だ! 急げ! それと今回は後継機との連動実験も併せて行う!」
オペレーションルームが騒然となった。
後継機はまだ問題を抱えている。暴走の危険性がまだ排除出来ていない。
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