第七話 経験

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 アヤはその二撃目を体を後ろに反らして避けた。そしてその勢いを利用し後方に一回転。  そして、サクラが切っ先を返し、三撃目を繰り出す隙で、開いたサクラとの距離を詰める。 「恨むな」  アヤは手にしたナイフで、サクラの頭部ユニットを斬り飛ばした。  上空で、その戦闘をモニタしていた、クラウドのオペレーションルームは色めき立った。 「バカな!」  アシュラムが腰を浮かせる。 「あのサクラの動きに、アヤが追随出来るはずがない!」  サクラのほぼゼロ秒単位の攻撃変化にアヤは対応し、逆にサクラを屠った。理論上あり得ない出来事だ。 『驚いているようだな』  アヤからの音声がクラウドのオペレーションルームに届く。 『私が今までの戦闘で積み上げた経験値(・・・)。そして各関節に実装されてる反射機能を模倣するチップAI。何よりも先日行った接続実験によって得た後継機の行動予測。これらが彼女らの遅延のない動きに対応した。これでもまだ過ちを認めないつもりか?』 「……残ってるアリスとユカで挟撃させろ」  アシュラムは拳を握りしめ、絞り出すように命令を下した。 「アリス、ユカ、依然制御不能のままです!」 「くっ……」     
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