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アヤはその二撃目を体を後ろに反らして避けた。そしてその勢いを利用し後方に一回転。
そして、サクラが切っ先を返し、三撃目を繰り出す隙で、開いたサクラとの距離を詰める。
「恨むな」
アヤは手にしたナイフで、サクラの頭部ユニットを斬り飛ばした。
上空で、その戦闘をモニタしていた、クラウドのオペレーションルームは色めき立った。
「バカな!」
アシュラムが腰を浮かせる。
「あのサクラの動きに、アヤが追随出来るはずがない!」
サクラのほぼゼロ秒単位の攻撃変化にアヤは対応し、逆にサクラを屠った。理論上あり得ない出来事だ。
『驚いているようだな』
アヤからの音声がクラウドのオペレーションルームに届く。
『私が今までの戦闘で積み上げた経験値。そして各関節に実装されてる反射機能を模倣するチップAI。何よりも先日行った接続実験によって得た後継機の行動予測。これらが彼女らの遅延のない動きに対応した。これでもまだ過ちを認めないつもりか?』
「……残ってるアリスとユカで挟撃させろ」
アシュラムは拳を握りしめ、絞り出すように命令を下した。
「アリス、ユカ、依然制御不能のままです!」
「くっ……」
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