第七話 経験

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 アリスとユカはそれに追い縋った。彼女たちに迷いはない。間合いが開けば、それを詰める。アリスとユカの武装が近接戦闘装備である以上、攻撃可能な距離を保つ。それ以外の選択肢はないからだ。  アヤはそれを知って間合い(・・・)を開けたのだ。 「お前たちは素直だな」  アヤは微笑んだ。  それはその状況にそぐわない、壮絶な笑みだった。  ユカとアリスとの距離を見極める。わずかにアリスが近い。まずアリスを標的にし高速で移動。アリスの眼前に近接。目の前にはアリスが繰り出したナイフ。  アヤはそのナイフを目で追わず、腕の反射機構にそれを任せた。  狙いはアリスの首だ。  右手の反射機構がアリスの攻撃を弾き飛ばし、左手のナイフがアリスの首を斬り飛ばした。  それを見たユカは『挟撃』が不可能になったことを認識し、両腕のブレードの超高振動を発動。単独で斬りかかってきた。  後はアヤの行動予測の範囲内だ。  今までの戦闘から得た経験と後継機の行動パターンから、次の攻撃を読み、先手を打った。  ユカの両腕のブレードを半身をわずかに引いて受け流し、超高振動ナイフで一閃。  両者の間に火花が散る。  ユカの右腕が斬り飛ばされた。 「これで終わりだ」  一呼吸の間もなく、ユカの頭部が地に落ちた。  * 「バカな……そんなことが……」  オペレーションルームでは、アシュラムが呆然と立ち竦んでいた。     
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