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三次元モニタには、首と胴体が分離した、三体の戦闘用アンドロイドが地に伏した様が映し出されていた。
「ま、まだ二分と経っていないのだぞ……」
『これで分かっただろう?』
アヤの声が冷静さを持ってオペレーションルームに響く。
「くっ……暴走状態のAIが完全に連携した作戦行動を取ることはない。お前が二体を相手し、倒すことが出来たのは偶然だ」
『偶然ではない。すべて私が予測した通りの結果だ』
「予測だと!」
アシュラムは声を荒げた。
「暴走状態とはいえ、後継機の行動変化とそのスピードになぜお前が追従出来る? なぜ余剰機能がそれを阻害しない? そもそも予測などという曖昧なデータで、なぜあんなに確実な行動が取れる?」
『さっきも言ったが、経験の差だ』
モニタには、指で自分の頭を突いているアヤが大写しになっていた。
『今まで体験した、実際の戦闘経験。後継機は、私の経験値をデータとしてフィードバックされている。ということは、彼女たちの行動パターンは全て私の行動の予測範囲内だ』
「オペレータ!」
アシュラムはアヤの声を遮り、声を張った。
「今すぐ稼働可能なガーディアンは何機だ!」
「五機です!」
「ガーディアン、投下準備! 急げよ!」
「は、はい!」
『言っておくが無駄だぞ?』
「お前は危険だ。放置出来ない」
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