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アシュラムはギリっと歯ぎしりしながら呻いた。
「ガーディアン、五機投下準備完了」
「よし! 投下!」
クラウドの下部ハッチが開き、ガーディアン──人型殺戮兵器が投下された。
ズン、ズズンと地響きを上げて地に立つ彼らは、何の意思も持たない『ただの兵器』だ。
『アシュラム。あなたは後悔することになる』
アヤは表情一つ変えず、周囲に展開した五体のガーディアンたちを見据えた。
「そのガーディアンは改良型だ。お前の戦闘データから得た経験値をフィードバックし、行動パターンを最適化したプログラムを実装している」
アシュラムはガーディアンへ命令を下した。
「アヤの四肢を破壊しろ。AIコアさえ残ればいい。──行け!」
無骨な前面装甲と分厚い盾を構え、包囲網を狭め始めるガーディアンたち。兵装は巨大なハンマーだ。実体弾ではアヤのAIコアを破壊しかねない。そのための配慮だ。
対するアヤは何の構えも見せない。放熱しきった白い髪のまま、兵装も展開せず、ナイフは腰のホルダに収まったままだ。
そして。
ガーディアンの一機がハンマーを振り上げたその時。
アヤが動いた。
白い髪が瞬時に赤く染まった。限界速度への活動へ移行したため、その放熱による現象だ。
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