第七話 経験

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 アシュラムはギリっと歯ぎしりしながら呻いた。 「ガーディアン、五機投下準備完了」 「よし! 投下!」  クラウドの下部ハッチが開き、ガーディアン──人型殺戮兵器が投下された。  ズン、ズズンと地響きを上げて地に立つ彼らは、何の意思も持たない『ただの兵器』だ。 『アシュラム。あなたは後悔することになる』  アヤは表情一つ変えず、周囲に展開した五体のガーディアンたちを見据えた。 「そのガーディアンは改良型だ。お前の戦闘データから得た経験値をフィードバックし、行動パターンを最適化したプログラムを実装している」  アシュラムはガーディアンへ命令を下した。 「アヤの四肢を破壊しろ。AIコアさえ残ればいい。──行け!」  無骨な前面装甲と分厚い盾を構え、包囲網を狭め始めるガーディアンたち。兵装は巨大なハンマーだ。実体弾ではアヤのAIコアを破壊しかねない。そのための配慮だ。  対するアヤは何の構えも見せない。放熱しきった白い髪のまま、兵装も展開せず、ナイフは腰のホルダに収まったままだ。  そして。  ガーディアンの一機がハンマーを振り上げたその時。  アヤが動いた。  白い髪が瞬時に赤く染まった。限界速度への活動へ移行したため、その放熱による現象だ。     
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