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そしてアヤは、五機目のガーディアンの肩に乗り、その頭部を蹴り飛ばした。
一瞬の出来事だった。
五機のガーディアンは、アヤを倒す手段の全てを失った。
*
「バカな……」
クラウドのオペレーションルームでは、アシュラムが呆然とした表情で棒立ちになっていた。
「ガーディアン五機が一瞬で……」
最新型かつアヤの行動データを入力された、現存するガーディアンの中でも最も高性能な機体が、試作機であるアヤに一瞬で無力化された。しかもアヤは一切兵装を使っていない。的確に関節を破壊し、行動不能に追い込んだだけだ。
「そんなことが……あり得ん……」
『だから無駄だと言った』
回線にアヤが割り込んだ。
『所詮は意思を持たない機械人形だ。ゼロ距離の近接戦闘で、私を倒せると思っていたのか』
「残りのガーディアンを出せ! 全機、大口径ライフル装備!」
「それではアヤを破壊してしまいます!」
オペレータが叫ぶ。だがアシュラムは意に介さない。
「構わん。アヤは反旗を翻した。最早我々の敵だ」
「しかし……」
「責任は俺が取る。ガーディアン投下準備!」
「わ、分かりました」
オペレータが慌てて、ガーディアンの装備変更、投下準備を進める。
『何度も言うが、無駄なことだぞ、アシュラム』
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