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「うるさいっ! お前は既に危険分子だ。クレイドルの一員として見逃すわけにはいかない!」
『了解した。これよりあなたと私は敵同士だ』
「ガーディアン三機、投下準備完了!」
「やれ!」
アシュラムは、コンソールを殴りつけた。
*
三機のガーディアンは、大口径ライフルを装備していた。彼我の距離、約一〇メートル。
弾が当たれば、アヤは跡形も残らない。
近接戦闘装備しかないアヤには、圧倒的に不利だ。
だが、アヤから出た言葉は、その不利な状況を微塵も感じさせない。
「無駄なことだ」
アヤは、地に落ちているサクラが使っていた長刀を手にした。
ガーディアンは距離を詰めてこない。
確実に射程内にいるアヤに照準を合わせ、命令を待っていた。
「撃て」
アシュラムの号令と共に、死神が火を吹いた。
刹那。
アヤの全身が光を帯び、髪が深紅に染まった。
信じられない光景だった。
三機が持つ大口径ライフルから放たれる弾丸を長刀で弾き、不規則に蛇行しつつ、アヤは距離を詰める。
弾丸が当たらない。
「バカな! この距離でなぜ当たらない!」
アシュラムが叫ぶ。
「AIコアの処理速度を超えているぞ、これは! オペレータ!」
オペレータは、アヤの全身の信号を解析。
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