第八話 覚醒。そして希望へ

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 そこには、どこかアヤを彷彿とさせる、柔和な笑みを浮かべた女性の写真がはめ込まれている。  彼女は、かつてアシュラムのパートナーであり、アヤの生みの親でもあった。  アヤをモニタしている船内スピーカーから声がする。だがそれはアヤの声色ではない。 『もうお分かりでしょう? アシュラム』  人間味のある優しい声。そして何より、アシュラムにとって懐かしく、良く知っている声。 「カオル……」  カオル・ユリカワ。  アヤを設計、開発し、その後自らの命を絶った天才エンジニア。 「自分のコピーを残していたのか」 『そう。あなたとの約束のために』 「俺との約束?」 『そう。私はこの子を造った時、自分の記憶をコピーした。あなたは覚えていない?』  アシュラムは、モニタを凝視した。  そして、思い出した。 「……我々、クレイドルの行く末を見届ける──約束だったな」 『思い出してくれたようね』  その声は、アシュラムの胸中に染み入る。 「……そうだったな」  アシュラムは視線をモニタから銀色のロケットに移した。  クレイドルが設立された当初、組織としての目的は医療用の義肢、義足などの技術の開発だった。  平和利用が前提だ。     
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