第八話 覚醒。そして希望へ

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 だがそれは軍事転用が容易な技術であり、資金源である経営母体は、それを用いて人体の強化、不死化の可能性を探り出した。  通常の数倍の力を出す義肢、強度を向上させた人工臓器等、あらゆるものを人工的な器官に置換可能な技術として確立されていった。  クレイドルが目的を転換したのはこの時期だった。  設立当初の目的から道を踏み外した組織は、紛争の絶えないこの星の平和を守るために武器を作り、平和を取り戻すために人を殺した。  負の連鎖が、組織に矛盾を生み出した。  始め、技術者たちは自分たちが開発した技術で人命が失われ、大地を傷つけることに抵抗した。  だが高額な報酬と、何よりも自分たちの安全が保障されていることから、徐々にその意識は薄れていった。  そして技術開発の最前線では、もはや兵器開発の研究への抵抗感はなくなっていた。  カオルはそんな中で、人型の兵器を生み出した。  だがそれは、本来は義肢の研究の延長にある技術だ。  上層部に予算を削られ、兵器としての開発を余儀なくされたカオルは一計を案じ、ある計画を立てた。  クレイドルをあるべき姿に戻す。そのために何をすべきか。  平和と戦争という矛盾を抱え込んだ巨大な組織体の根底を覆すには何をすべきか。  その答えがアヤだった。     
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