第三話 葛藤

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 ──さぁお前たち、私を守れ!  *  数千の刃は、複雑な軌跡を描き、私に向け襲いかかる。  だが、電脳空間で仮想体を構築した私は、七つの盾、七つの槍を従えている。  音はしない。  ただ無数の刃が私の周囲を飛び交っている。  そして隙を見て、襲いかかってくる。  だが。  私に刃が近づくと、七つの盾が自律的に動き、形を変え、その刃を弾き、消滅させる。  七つの槍も、刃を自律的に追い、粉砕している。  ──浸食率、五〇パーセントまで回復。  とりわけ、緑の槍の動きが激しい。まるで相手がどう動くか、予想しているかのようだ。  ──お前か。  私のシャットダウンを拒否したサブAIは。  何者かの侵入を予見したサブAIは。  そして。  ──浸食率、二〇パーセントまで回復。  一分経たず、敵の攻性プログラムはほぼ全滅した。    * 「システム侵入率、五パーセントを割りました。脅威レベルほぼグリーンです」 「そうか。ではその残りカスの駆除を最優先。システムの再起動はその後だ」 「分かりました」  よくやった、とアシュラムはエンジニアの肩を叩き、私に向き直った。 「なぜシステム侵入を予見出来た?」  私はシャットダウン・プロセスを停め、通常稼働に戻っていた。     
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