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序 母なる大地
自然破壊。
地球温暖化。
食糧危機。
異常気象。
そして資源枯渇。
母なる大地は様々な危機に晒され、もはや人類を支えきれなくなった。
人類が欲したのは、安定した大地。
豊かな実りと無限のエネルギー。
この星はもう、それらの求めに応じられない。
人類に与えられた選択は二つ。
共に滅びるか。
新天地を求めるか。
人類は後者を選択し、衛星軌道への『一時避難』を開始した。
だが、計画はすぐに頓挫することになる。
先進国と国連が主導したこの計画、『エスケープ・アース・プラン』は、ある程度の人口が衛星軌道に乗せたスペースコロニーに届いた時点で打ち切られた。
地球にはもうその余力は残されていなかったのだ。
残された人々は為す術なく、星と命運を共にするしかなかった。
それから二〇〇年。
星界に逃れた人類は、新たな火種を見つけた。
やっと各国・同盟単位でコロニーを建造し、落ち着きを取り戻した頃だった。
誰が来たるべき『地球への帰還』を主導するのか。
誰が『帰還後の地球』を統治するのか。
資源も物資も人もいない、ただ無限に広がる漆黒の空間の中で、ただそのためだけの戦いが始まった。
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