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あそこに立っていたのは確かに馨で、はしたなく自分の性器を口にしているのも馨だ。
これは自惚れていいのだろうか。
吟次は薄く笑い人差し指を口に含み、濡れた指で鳥肌の立った仄白い肌を辿ってゆく。
「んっ」
咥えた馨は大きく身を跳ねらせた。吟次の指が背骨を辿って行き着いたのは割れ目の奥だった。
唾液で滑らせた指は軽い抵抗を受けながら差し込まれる。
侵入してきた指は柔らかい肉を割って奥へと進む。
「あ………っ」
馨は思わず性器から口を離す。
「ちゃんと咥えろよ」
そう言われても吟次の指が小刻みに刺激を加えてくる。馨は必死に唇を屹立に戻すが、指が抜き差しされる度に嬌声が口を突いてでてゆく。
「ん…っ、あ…あぁ」
身を震わせて悶える馨に吟次は満足そうに口の端を持ち上げる。指を増やされ強く内部を擦り上げると卑猥なすすり泣きを洩らし、馨は堪らず首を振った。
「やめ…っ、いや」
すると突然、指が抜かれ顎を持ち上げられる。
顔を無理矢理に上げさせられて吟次に真っ直ぐ射抜かれて。欲望に火照った頬に唇を赤くさせ唾液でぬめらせている馨は「見ないで…」と顔を背けた。
「この唇で咥えたのかよ」
吟次は馨の唇についた唾液を親指で拭う。
「…すげぇな」
欲情を隠すことない感嘆とした呟きに馨は耳を塞ぎたいほどの羞恥を覚える。全身を火で炙られているようだった。
「…どうだった? あんたこいつを下の口でも咥えてんだぜ」
吟次は馨の羞恥を更に煽るように耳元で低く囁いてくる。
「あんたは知らねぇだろうけど、恋しげに吸い付いてきやがる」
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