きらきらこころ

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やがて動かなくなってしまいました。 浩もお母さんもお父さんも 必死でサトを呼んだのですが、ヒロの 腕のなかでサトはどんどん冷たくなって いきました サトは小さなお家になりました。 黄色い、小さなお家の形の木箱に サトはいます。 雪のなか、お葬式があげられて よかったねとお母さんがいいました。 大きなお骨はお墓に入ったけれど、 小さなキバや小さなお手手や。 ああサトだねえ。という、 そんなお骨をいくつか 浩とお父さんとお母さんと皆で選んで、 この小さな箱に 分けてもらったのです。 お家は皆のいる居間に置いて サトの写真をいっぱい飾りました 浩は全然泣きませんでした。 サトが腕の中で冷たくなってから、 小さなお家になるまで。 いえどちらかというと。 泣けなかったのです。 それほど浩の心はかちんこちんに なって。それに お父さんお母さんもかちんこちんに なってるのが、痛いほど伝わってきたので。 …やがて。 「お母さん、悲しむんじゃないにゃん。 オレはここにいるにゃん」 浩がそう呟きました。 お母さんは寂しそうに微かに微笑みました。 サトが元気だった頃から。 サトがお母さんに餌をねだると 「お母さん、はよご飯くわすにゃん」 サトがお父さんがなかなか寝なくて 鳴き出すと 「お父さん、はよ布団ひくにゃん。     
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