きらきらこころ

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きらきらこころ

きらきら。きらきらと。 鏡を覗きこむとそこには自分がいて。 その側で、 宝石の様にきらきらと 光り輝いているのです サトがお空に行ってしまったので、 浩(ヒロ)は自分もお空に行きたくて 行きたくて堪らないのでした サトは猫です。 クロとシロのハチワレもよう、 エメラルドの様な鮮やかな翠の まんまるおめめ。 家族みんなサトが大好きでした。 お父さんもお母さんも病気がちで、 裕福じゃあないけれど サトがにゃあと鳴けば皆にっこりです。 浩とってサトは自分の弟のような。 いえ子ども? いえまるで自分自身の分身のような。 そんな近い近い存在なのでした その1週間は大雪でした。 浩の住んでる地域は 昔に比べ雪が降らなくなったと お父さんが言ってたことがありますが これほどの大雪は30年ぶりくらい だったそうです。 お家は浩の家もお隣さまも みんなカマクラの様になって。 車もちいさなカマクラになって。 お庭の沢山のお花も木々も 秋に植えたチューリップも どこにあるんだかすっかり わからなくなってしまいました。 もしかしたら、もともと心臓に持病が あったかもしれない。 動物病院の先生が最後に言った言葉です。 いつも元気だったサトは 急に元気がなくなって。     
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